倉庫を建てる際に避けて通れないのが、建築費用の検討です。規模や構造によって大きく変動するため、相場を把握しておくことがスムーズな事業計画につながります。この記事では倉庫の種類別費用からコストを抑える方法までわかりやすく解説します。また業者選びの際の注意点も紹介しますので、参考にしてください。
倉庫の建築費用は大体どれくらいかかるのか
倉庫を建てる際には、構造の種類によって費用や特徴が大きく変わります。事業計画を立てるうえで相場を把握しておくことは非常に重要です。ここでは代表的な木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の3種類の倉庫について、その特徴と費用相場を解説します。木造倉庫の費用相場
木造倉庫は主要な部材に木材を使用した倉庫で、最もコストを抑えやすい点が大きな特徴です。坪単価はおよそ20万円が目安で、ほかの構造に比べて初期費用を低く抑えられるでしょう。また木材は再利用することが可能で、環境に優しい点も魅力です。一方で鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べると耐候性が劣るのが弱点ですが、石膏ボードを下地材に使うことで耐候性や耐火性を高める工夫も可能です。
鉄骨造倉庫の費用相場
鉄骨造倉庫は骨組みに鉄骨を使用しており、軽量かつ耐久性が高い点がメリットです。部材の品質が安定しているため、施工品質が職人の技量に左右されにくいでしょう。また工場で組み立てた部材を現場に搬入できるケースも多いため、工期を短縮できるメリットもあります。ただし外気温の影響を受けやすく、鉄骨が錆びやすいため防錆処理が欠かせません。坪単価の目安は約43万円で、鉄筋コンクリート造よりも比較的安く建築できます。
鉄筋コンクリート造倉庫の費用相場
鉄筋コンクリート造倉庫は鉄筋とコンクリートを組み合わせており、耐震性や耐久性に優れている点が大きな強みです。さらに気密性が高いため空調効果を維持しやすく、温度管理が重要な商品や資材を保管するのに最適です。ただしコンクリートの養生に時間が必要なため工期は長めになり、費用も高くなる傾向があります。坪単価の目安はおよそ45万円で、木造や鉄骨造に比べてコストは上がります。
倉庫を安く建築する方法
倉庫の建築費用は規模や構造によって大きく変わりますが、工夫次第で初期投資を抑えることも可能です。倉庫を安く建築する方法について見ていきましょう。計画の立て方やポイントを押さえることで、より効率的に準備を進められます。複数業者の見積もりを比較する
建築費用を適正に抑えるためには、複数の業者から見積もりを取ることが欠かせません。比較の際は価格だけに注目するのではなく、工事内容がどこまで含まれているかを確認することが大切です。基礎工事や外構工事、地盤改良といった追加費用が発生する可能性もあるため、範囲を明確にすることがポイントです。信頼できる複数の業者に相談し、実績や提案内容を踏まえて総合的に判断することが費用削減につながります。
補助金制度を活用する
倉庫建築には、補助金制度を利用できるケースがあります。事業再構築補助金は、建築費や設計費に加え、既存倉庫の改修費用まで対象となり、最大で1億円の補助を受けられる可能性がある制度です。また、地域未来投資促進法による支援を活用すれば固定資産税が最長3年間免除されるほか、法人税についても特別償却や税額控除が受けられる場合があります。これらの制度を利用することで、初期投資の負担を大きく軽減できます。
業者選びの際の注意点も解説!
倉庫を建てる際には、信頼できる業者を選ぶことが重要です。適切な判断ができなければ、予定外の費用が発生したり、完成後にトラブルへ発展したりする可能性もあります。ここからは、業者選びの際の注意点を解説します。坪単価だけでなく総工費で判断する
倉庫建築を検討する際、坪単価を基準に考える人が多いですが、業者ごとに定義が異なるため注意が必要です。坪単価だけで判断すると、実際には空調や電気工事といった設備関連費用が追加され、最終的に想定以上の出費となる場合があります。そのため、工事の範囲を含めた総工費を基準にして判断することが重要です。倉庫の種類や立地条件によっても費用は変わるため、総合的な視点で確認しましょう。
建設予定地の用途地域を確認する
倉庫を建てる前には、建設予定地が用途地域の規制に適合しているかを確認することが欠かせません。都市計画法に基づき土地は用途地域に区分され、建築可能な建物の種類や規模が定められています。用途が合わない土地を選んでしまうと、希望する倉庫が建てられないケースもあるため注意が必要です。都市計画図を用いて事前に確認し、条件に合う土地を選ぶことが重要です。